WHO(世界保健機関)の発表で、オーストラリアでリステリア菌に汚染されたメロンが日本に輸出されていたことが確認されたことが分かりました。
WHOでは、妊婦や高齢者は特に注意するよう呼びかけています。
汚染メロンで死亡例も
2018年1月から4月にかけ、オーストラリアではリステリア菌に汚染されたメロンによる食中毒が発生し、19人が感染、7人が死亡したと報告されています。
2月の時点で汚染メロンは回収されていましたが、汚染の可能性が残るメロンが、日本やシンガポールをはじめとする9つの国と地域に輸出されていたことが確認されています。
チーズや生ハムで食中毒も、リステリア菌とは?
リステリア・モノサイトゲネス(以下「リステリア」と呼びます。)は、河川水や動物の腸管内など環境中に広く分布する細菌です。
我が国のこれまでの食中毒統計では、リステリアによる食中毒の報告例はありませんが、食品安全委員会の評価書によると、リステリア感染症の推定患者数は年間200人(平成23年)とされています。
リステリアに感染して重症化することはまれですが、妊婦、高齢者の方は注意が必要です。
食品由来によるリステリア症は、年間住民100万人あたり0.1~10人とまれです。ただし、重症化すると致死率が高い疾患であることから、世界保健機関(WHO)においても注意喚起を行っています。
引用:厚生労働省HP
リステリア菌は、食品の賞味期限を守り、きちんとした方法で保存していれば食中毒を引き起こすほどの数は増えないそうです。
海外ではサラダで食中毒例も、注意すべき食材
人気フルーツであるメロンで死亡例が発生したことで心配になっている人もいるかもしれません。
では、どんな食材に気を付けたほうが良いのかみてみましょう。
日本国内では、主に乳製品、他、食肉加工品や魚介類加工品などから検出された例があるようですが、海外ではコールスローサラダで集団食中毒が発生した事例も報告されています。
冷蔵庫に長期間保存され、加熱せずにそのまま食べられる食品は、原因となりえますので注意が必要です。
引用:厚生労働省HP
例:
加熱せずに製造されるナチュラルチーズや、生ハム、スモークサーモンなど
高齢者や妊婦は特に注意が必要
きちんとした管理をしておけば増える可能性の少ないリステリア菌ですが、その潜伏期間は最長で90日間もあるそうです。
感染時の症状には個人差がありますが、免疫機能が低下している方や高齢者は特に注意が必要です。また、妊娠時に感染すると、胎盤や胎児の感染、流産、新生児へ影響する可能性があることから、妊婦も同じく注意が必要です。